msawady’s engineering-note

なにも分からないエンジニアです。

『エンジニアリングマネージャーのしごと』を読んで初心に帰った話

これはFOLIOアドベントカレンダー 12日目の記事です。昨日はきゅあれもねーどさんの記事でした。

営業日カレンダーモデルの実装 - きゅあれもねーど’s diary

はじめに

今年の4月からリーダーとしての業務に取り組みはじめました。前職での経験もありそれなりにはやっていたのですが、「エンジニアリングマネージャーのしごと」を読んでいくつかプラクティスを取り入れることでより上手く進められることが増えたと感じています。

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今回の記事では実際に取り入れてみたプラクティスを紹介しながら、自分が感じた効果などを書いていきます。

ToDo管理ツールの導入

リーダー業をやっていると開発や運用とは毛色の違う定期タスクやMTGが増え、IDEを開かずに終わってしまうような日も増えてきます。そうするとチケット的な進捗が全くなく「進捗ゼロなのは流石にアレでは?」と自責の念が湧いたりと、精神衛生上よくないなぁというのは常々の悩みでした。

「2章 まず自分を管理しよう」を参考にして、ToDo管理ツールの Remember The Milk を導入しました。特に凝った使い方をしたり、メトリクスを取ったりはしていませんが、一日の始めと終わりに Remember The Milk を見直してタスクの整理をするようにしました。

漏れなく効率よくタスクをこなせるという効果もありましたが、それ以上に日々の細かいタスクに対して達成感を味わえるようになりました。コードを書けなった日でも気持ちよく終われますし、逆に「これさえやれば後は実装に集中できるぞ」というような形でペースを作れたりと、心身ともに良い状態で働けるようになりました。

また同じ章でEMの活動は以下の4つに分類できると述べられています。

  • 情報収集
  • 意思決定
  • ナッジング(誘導)
  • ロールモデル

この分類があることで、自分が上手く出来ていないことは何か、意識しなければいけないことは何か、というのを考えるヒントになったのも大きな進歩でした。

週次のふりかえり

タスク管理やプロジェクトの進捗管理、1on1など様々なことをやると、当然いちエンジニアとして活動するのとはまた違ったことを感じたり考えたりすることが増えます。もちろん重要なことはタスクとして対処しますが、「そこまでではないこと」は手を付けられずにスルーしがちです。

また、マネージャーとの連携という面でも、進捗や人の異動といった言語化しやすいことは普通に報告すれば良いのですが、「そこまでではないこと」の報告の塩梅は難しいなと感じていました。

「3章 人間と関わる」を参考にして、週次の振り返りを作成してマネージャーと共有するようにしました。すると「そこまでではないこと」を言語化するタイミングができたことで、リスク要因やメンバーの進捗などをより細かに連携できるようになりました。

マネージャーからも安心して任せられるようになったという感想を頂けたことに加え、自分としてもマネージャーからフィードバックをもらって方向性を決められたり、マネージャーのレイヤから問題にアプローチしてもらったりと、良い関係を作るために役立っていると感じています。

自分が喋らないMTGに出る

自分は多人数での「報告のための定例MTG」が嫌いです。議事録である程度は中身が掴めますし、重要なことはマネージャーから改めてチーム内に連携されることもあり、極力参加しないようにしていました。

とはいえEMの活動として「情報収集」が有ったこともあり、そういったMTGにも出るようにしました。確かに後から議事録を読めば充分な回も多いのですが、自チームに影響のありそうなことや詳細に書かれていないリスク要因が、他部署の報告などから仄めかされている回が有る、ということが分かってきました。

いや、正確には仄めかされてい"た"回だったと後から分かった、でしょうか。情報収集の不足から大きく後手を引いてしまうミスをしてしまいました。ワインバーグの「エゴレスプログラミングの十戒」 の9番に「“部屋に籠りきり”になるな」とありますが、まさに部屋に籠もらずに情報収集をして、積極的にコミュニケーションすることが重要だと実感しました。

ここは今まさに自分が課題だと感じているところで、他チームの様子やプロジェクト全体の進捗などを確認しながら、適宜ライトパーソンから話を聞いて先手を取って対応できるようになって行きたいと考えています。

終わりに

ここまで読んで、以下のように思った人も居るのではないでしょうか?

なんか初歩的なことばかりじゃない?

そうなんです。新社会人が1年目に習うようなことをやり始めた、というか、やり直し始めたこの数ヶ月でした。エンジニアとして個人のアウトプットを最大化するために、一般的ホワイトカラーのグッド・プラクティスを避けてきたことを自覚しました。

(再掲)「エンジニアリングマネージャーのしごと」ではEMの活動は以下の4つに分類できると述べられています。

  • 情報収集
  • 意思決定
  • ナッジング(誘導)
  • ロールモデル

これらのことを効率的にこなすためには、いわゆるエンジニア的なプラクティスだけではなく、「ビジネスパーソン」の基本的なプラクティスを取り入れること、つまり「初心に帰る」ことも重要だなと感じます。これから自分がエンジニアリングマネージャーとしてのキャリアを進めていくかは分かりませんが、こういうシフトチェンジが必要なことは忘れないようにしたいと思います。

明日は mkikuchi さんの記事です。

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